気怠さの中、ゆっくりと目を開け



覚醒しきらないまま、自分を抱え込んだ存在にそっと触れる





指に伝わるのは人肌のぬくもりと、傷跡の固い感触





その感触は、触れる度に胸にざわめきを生む









傷跡に、手のひらを当てる






―もう、痛みはないのだろうか―

そんな思いが胸をよぎる







「…何、してンだよ」







いつの間に目が覚めたのか、隻眼の男が自分の行動を不審げに見ていた




少年はその声で我に返り、自らの行為に羞恥し赤面する


それでも、手のひらは当てたまま
少年はぽつりと言葉を紡ぐ





「別に…、ただ」





―――このきずぐちのすきまから、この人は沢山のモノを零してしまった






それは未だ埋められず






すきまは虚ろなまま―――





…だから、せめて








「こうしてたら、ここから染み込まないかと思って…」







「……」










不意に

何が、と聞く事もなく、男は少年を引き寄せ、きつく抱き締めた






「ちょっ、いきなり…苦しいですよ!」




呼吸も出来ない程に抱き締められ、少年は抗議の声を上げる




男はそれを薄く笑いながら聞く





「どうせなら…お前ェ全部が染み込みゃいいだろ?」







手のひらだけじゃ、足りはしない


いっそ、その身全てをすきまに埋めろとばかりに



男は笑った









少年は抗議を諦め、自らもその背に腕を回し



男を抱き締め









互いのぬくもりに再びまどろみながら








溶け合うような





くちづけを交わした






























………

お粗末さまでした!(汗)
素敵企画に参加させて頂けて、光栄です!

落榎。

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